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GRANRODEOの黒子ソングから菊池成功のルパンまでーー2012年春のアニソン(後編)

2012年4月から6月のアニメソングをオタクな妻との対談形式で振り返ります。

今回は前後編2つに分割しており、この記事は後編になります。

 

改めて感じたアニソンアーティストの層の厚さ

私:さて、今期のアニソンアーティストの活躍を振り返りたいのですが、アニメ「黒子のバスケ」のアニソンのレベルの高さには驚きました。

 

妻:ジャンプアニメのアニソンにやられるとは思わなかったね。

 

私:まずはオープニング・テーマのGRANRODEOの「Can Do」ですね。ジャンプの王道なスポーツものに相応しい正統派の男前ロックな楽曲を高らかに歌い上げる谷山紀章はすばらしいですね。往年のB'zかと思いましたよ。

 

妻:今更GRANRODEOの良さに気づくとは。まあ、きーやんの歌は声優の別格にすごいからね。

 

私:アニソンにおけるロックな男性ボーカルもJAM Project的な熱いアニソンロックから、GRANRODEOの正統派ロックまで幅広いですよね。

黒子のバスケ」はアニメとして見てもけっこう面白かったですね。我々の世代だとジャンプのバスケマンガというとスラムダンクであり、男前キャラが多くの女性を魅了していたイメージなんですが、この作品も女性ファンに受けそうですよね。

 

妻:ジャンプの女性ファンに対するマーケティングは完璧よね。アニメ化にあたって、この豪華声優陣とGRANRODEOを持ってくるあたりが女性ファンをわかっているなという感じだね。

 

私:そして、エンディング・テーマはヒャダインこと前山田健一さんの「Star it right away」でしたね。

これは、前山田さんの考えるバスケアニメのテーマ曲って感じでした。

 

妻:そうね。スポーツをテーマに、やっぱりヘタれた男の恋心を歌った感じでね。そして、「カカカタカタオモイ」に続いて早口なサビが今回も展開されていたね。

 

私:またカラオケで歌うのが大変ですよ。

前山田さんはももクロのヒットにあわせて、世の中の注目度があがっていますよね。この前は、情熱大陸で取り上げられていましたからね。

 

妻:Eテレ天才テレビくんにも出ていたよ。なんか活躍の場を広げている。

ももクロ人気もすごいよね。本当に今年の年末の紅白に出そうな勢いになってきたね。

 

私:そうですね。まあ、ももクロの素晴らしさについて後で改めて触れるとして、GRANRODEOヒャダインさんという組み合わせには驚かされたアニメでした。

その他、今期のアニソンアーティストの曲はいがかでしたか?

 

妻:「緋色の欠片」の主題歌で藤田麻衣子さんの「ねえ」は良かったね。

 

私:私は藤田麻衣子さんって全然知らなかったんですが、今期のアニメチェックをしてまわっているときに、いきなり名曲過ぎる楽曲と本気のボーカルにびっくりしましたよ。

 

妻:乙女ゲーの世界では泣ける曲を作る人として有名だからね。

 

私「恋に落ちて」とか「瞬間」とか、過去の作品を聴いても、どれもレベルが高いんですよ。こんな人が主に乙女ゲーの世界で知られているところにも、なんだか奥深さを感じましたよ。私の知らない世界はまだまだ広いんだということがわかりました。

また、アニメではないんですが深夜にやっていた特撮もので、桃井はるこさんが歌う「非公認戦隊アキバレンジャー」も気になる楽曲でした。 

 

妻:UNDER17で萌えソングの一時代を築いた人らしいよね。

 

私:「いつかは日曜の朝日浴びるのさ」と深夜に歌いあげる桃井はる子には、秋葉原を舞台に妄想の世界で戦う戦隊ものにふさわしい、アキバ文化への愛を感じました。

それから比較的新しいアニソンアーティストの中では、「氷菓」の主題歌でChouchoの「優しさの理由」にハマリましたよ。こういうピアノが印象的なロックって私は大好きなんですよ。

 

妻:Chouchoさんもニコニコ動画で活躍していた人なのよね。この曲は誰が作曲しているんだっけ?

 

私:宮崎誠という人らしいです。調べてみるとけっこういろいろな仕事をしている方なんですが、鈴村健一の「あすなろ」とかはわかるんじゃないですかね?

 

妻:ああ、なるほどね。あれもロックなピアノが印象的な曲だもんねえ。

 

私:KalafinaGRANRODEOから桃井はる子、Chouchoと見てくると、改めてアニソンアーティストの多彩さと層の厚さを感じるシーズンだったと思います。

 

坂道のアポロン」が生んだジャズとアニメの奇跡の文化祭セッション

私:「坂道のアポロン」では、「カウボーイビバップ」以来、菅野よう子さんが渡辺信一郎監督とタッグを組んでジャズを題材にした作品に取り組みました。

 

妻:まずはオープニングの「坂道のメロディ」よね。JUDY AND MARYYUKIさんが歌う菅野よう子ソングはなかなか素敵だったね。

坂道のメロディ

坂道のメロディ

 

私:あの何だか舌足らずな独特の歌い方と、サビのロックな盛り上がりが、YUKIさんを絶妙に活かしているなあと思いましたよ。

 

妻:そうね。菅野よう子ジュディマリYUKIをイメージして作ったキャラソンというべきかもね。

 

私:今期はYUKIさんもそうなんですが、アニソンにおいてJPOP全盛期の名前をちょこちょこ見かけました。

宇宙兄弟」の主題歌「Feel So Moon」はユニコーンの新曲で、「つり球」のエンディングテーマはスピッツの「空も飛べるはず」のアレンジでしたしね。

Feel So Moon

Feel So Moon

 

妻:「アクセル・ワールド」でMay'nさんが歌う主題歌「Chase the world」の作曲が浅倉大介だったりとかね。

Chase the world

Chase the world

  • May'n
  • Anime
  • ¥250

 

私:いつか現代のアニメにみられるJPOP全盛期のアーティスト系譜みたいものをテーマとして掘り下げて考察してみたいところです。

話を「坂道のアポロン」に戻すと、これの菅野よう子の楽曲もよかったんですが、劇中で演奏されるジャズがすごかったですね。

 

妻:ピアノの人とか普通に有名な人なんだよね。

 

私:松永貴志ですよね。私はアニソンに目覚める前にジャズ・ピアノにかぶれていたことがあったので、一時期聴きまくっていましたよ。17歳でメジャーデューした早熟な天才ピアニストとして有名な人ですね。ドラムの石若駿さんもスーパー高校生ドラマーとして有名だったらしいので、学園ものバンドの設定にも、なんだかリアリティを与えられる二人ですよね。

 

妻:そして第7話の文化祭シーンはすごかったね。3分半くらいの演奏シーンがアニメでそのまま流されるっていうのが、ニュースにもなっていたしね。

 

私:アニメ史に残るべき神シーンでしたね。あの場面にはなんだかいろんなものが凝縮していましたよね。

もともと原作が少女マンガなので、主人公達の心理描写がライトなBLとして読めるような感じじゃないですか。

 

妻:そうよね。文化祭前に、別のバンドで演奏することになった仙太郎に対して、薫が「僕には君は必要ない」とか言って仲違いするのよね。

 

私:そうそう。反語的に「僕には君が必要なんだ」って完全に告白しちゃっている名セリフでしたね。

 

妻:そんな二人のすれ違いが、文化祭のセッションの中でぶつかり合い、なんだか感動的に分かり合うんのよね。

 

私:演奏が終わったあと、二人で手をつないで走り去って行きましたからね。

原作の青春な心理劇と、ジャズアーティストの演奏、それを音楽監督として演出した菅野よう子と、音楽にこだわりぬいた渡辺信一郎監督。偉大な才能が集まって生まれた神シーンだったと思います。

 

妻:涼宮ハルヒの神回「ライブアライブ」と並んで、アニメ史に残るべき文化祭ライブシーンだろうね。

 

私:そうですね。

 

キャラソン文化のわからない菊地成孔「新・嵐が丘

妻:話は変わるけど、ジャズといえば、「LUPIN the Third -峰不二子という女-」のオープニングについても騒いでいたよね。

 

私:ああ、ジャズというかサブカル音楽の巨匠、菊池成孔の手がけた「新・嵐が丘」ですよね。

 

妻:すごいサブカル臭だったよね。

 

私:サブカルを汚いもののように言わないでください。

まさか朗読で来るとは思わなかったですね。

 

妻:どうせ不協和音と詩の朗読、そして「嵐が丘のヒースクリフ」とか言われると、なんだか高尚な感じがしてくるんでしょ。

 

私:なんでそんなに喧嘩腰なんですか。まあ、それがいいんですけどね…。そして、曲の最後であのタイトルクレジットに重なるところも素敵なんですよ。あそこだけ妙にポップで、にわかにルパンっぽくなって終わるところが絶妙なセンスの良さだと思いましたよ。

 

妻:峰不二子がとりあえず全裸で乳首をさらけ出している劇画ちっくなアニメーションもすごかったよね。

 

私:乳首の隠さなさ加減がすごかったですよね。最近の美少女おっぱい格闘アニメが様々な光の描写で胸を隠しているのは一体なんだったんだろうという感じでしたよね。

まあキャラソンファンとして、唯一不満を言わせてもらうなら、なんで沢城みゆきに朗読させなかったのかというところですね。

 

妻:実力派といわれる沢城みゆきなら、けっこう良い感じに読みこなしそうよね。

 

私:そうなんですよね。菊地成孔作曲で沢城みゆきが朗読する峰不二子のキャラソンとしての「新・嵐が丘」を見たかったです。「菊地成孔はさすがキャラソンでも一味違うな」とか言いたかったのですが。

 

妻:菊地成孔は現代日本のキャラソン文化に対する理解が圧倒的に不足しているということね。

 

私:なんでそんなに上から目線なんですか。別にわかろうとするような方ではないような気がしますが。

まあ、ブルーレイ特典なんかで沢城みゆきバージョンを収録してくれたりしたら素敵ですよね。

そして、監督の山本沙世さんにも今後がんばってほしいと思いますよ。

 

妻:「ミチコとハッチン」の監督だった人なのよね。

 

私:私は、あの作品にはしびれっぱなしでしたからね。時代に迎合しない作品を作れる人ですね。

そういう意味では、今回の山本沙世監督と菊地成孔というのは、この萌えが全盛のアニメでいうところのサブカルチャーとは、かなり対極にあるサブカルチャーを示して見せたところが興味深かったと思います。

 

アイドルソングをアニメに持ち込むAKBとキャラソンをアイドルシーンに逆輸入するももクロ

私:そしてアニソンファンとして私が今期の注目作していたのは、人気絶頂にあるAKB48を題材にしたアニメ「AKB0048」でした。

 

妻:まさか秋元康が作中で神格化されているとは思わなかったね。

 

私:そこですか。確かに神社のようなところに祀られて、お告げを発していましたよね。

 

妻:まあ、この春のAKB総選挙にあわせて、こんな時代にダブルミリオンを達成したくらいだからね。そろそろ音楽業界では神格化されてもいいのかもしれないね。

 

私:アニソンファンとして、この作品に期待していたのは楽曲だったんですが、そういう意味では正直今のところ期待外れな感じではあるんですよね。

 

妻:オープニングとエンディングもまあ普通にありそうなアイドル曲って感じで、劇中でもAKBの代表曲を流しているだけだからね。

 

私:そうなんですよね。せっかく河森正治とか岡田麿里という豪華スタッフでアニメ化するんだったら、曲にこそこだわってほしかったですね。それこそ菅野よう子さんとか、神前暁さんに曲を依頼してほしかったです。

 

妻:AKBが「GO MY WAY!!」を歌う感じよね。

 

私:そうです。それで「この曲いつものAKBの曲よりいいね!」みたいな展開を期待していたんですけどね。

キャラソンファンとしては、21世紀にもっとも楽曲に恵まれたアイドルグループって、ハロプロでもAKBでもなくて、アイドルマスターだと思っていますからね。

バーチャルな世界で花開いているアイドルソング達がAKBのアニメ化によって現実のアイドルに逆輸入されるのを期待したんですけどね。

 

妻:まあ、それは妄想が過ぎたということだよね。

 

私:ですね。あくまでも現実のアイドルをアニメに持ち込んだだけだという感じですよね。

そういう意味で、私が最近対照的だと思ったのが、ももいろクローバーZですね。

 

妻:6月に発売された最新シングル「Z女戦争」は、まさかのやくしまるえつこ作曲だったね。

 

私:攻めますよね。まさか前山田さんに続いて、最も旬なアニソンアーティストであるやくしまるえつこを作曲家に持ってくるとは恐れ入りました。

 

妻:まあ、やくしまるえつこは別にアニソンアーティストじゃないのかもしれないけど…。アニソンファンの我々としてはそういう捉え方よね。

 

私:この曲はレトロな昭和歌謡と、やくしまるえつこ的な電波な掛け合いが、ももクロのへたうまな戦隊ものアイドルソングとして高度に融合した名作だと思います。

 

妻:初めて聴いた時にはあんまりピンとこなかったんだけど、じわじわと中毒性を発揮するのよね。

 

私;別にアニメの主題歌じゃないのに、楽曲として完全にキャラソンの文化を感じる作品ですよね。

 

妻:ももクロって現実のアイドルなんだけど、あの戦隊ものをイメージしたコスチュームと設定よって、アニメなんかのキャラクター文化の中で位置づけられている存在のように見えるのよね。

 

私:そうなんですよ。だからももクロの曲って、ももクロ自身のキャラクターに対してのキャラソンだと捉えられると思えるんですよ。そういう意味でも、ももクロはアニソン文化を現実のアイドルシーンに逆輸入しているアイドルなんじゃないかと。

 

妻:ももクロ人気の中で、AKBとの比較なんかが語られるようになってきたね。

 

私:そうですね。私はそれを旧来のアイドルソングと、キャラクター文化が生んだアニソンから逆輸入される新たなアイドルソングの対決だと見ていますよ。

 

妻:また大げさに言ってみたね。

Z女戦争」は「モーレツ宇宙海賊」の2クール目のオープニングでもよかったよね。

 

私:そうですよね。まあ「モーレツ宇宙海賊」は劇場版制作も発表されたことですし、再びももクロとのコレボが見れるかもしれないですね。

 

2012年夏のアニメソングへの期待

私:さて、最後に夏アニメに向けた期待を語りたいのですが、いかがでしょうか?

 

妻:まあ、とりあえず「ソードアート・オンライン」は気になるね。

 

私:音楽を梶浦由記さんが担当して、オープニングは渡辺翔さん作曲でLisaさんが歌うらしいですからね。

 

妻:まさかのFate/Zeroの1クール目の組み合わせがそのままなのよね。梶浦由記さんが歌を作るかはわからないけれど、ひょっとしたらまた渡辺さんと梶浦さんのアニソン対決が見られるかもね。

 

私:そうですね。私は同じ原作者で今期のアクセル・ワールドのSF的な設定が面白かったので、アニメとしてもかなり楽しみですよ。

 

妻:あと「ゆるゆり」の二期がくるんだったよね。

 

私:そうですね。あれは前作ですぐれた電波系キャラソンを生んだ作品なので、今期も期待ですね。

DOG DAYS」2期の水樹奈々さんの主題歌も楽しみです。

 

妻:水樹奈々については今回触れられなかったけど、劇場版「BLOOD-C」の主題歌で「METRO BAROQUE」が良かったもんね。

METRO BAROQUE

METRO BAROQUE

 

私:そうですね。王道の水樹奈々ソングでしたよね。作曲のやしきんさんは、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のエンディングテーマの公募で、「アキハバラ☆だんす☆なう!!」と「カメレオンドーター」を作ったことで認められてプロになった人らしいですからね。

 

妻:そうなんだ。あの二曲はすごかったもんね。

そういえば「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は最近二期の制作と、エンディングテーマの公募が発表されたよね。

 

私:前回の公募作品のレベルが異常に高かったですからね。今回も偉大な才能の発掘の場になるかもしれませんね。

Twitter神前暁さんが応募しようかなと呟かれていましたけど。

 

妻:それは反則すぎるねw

ただ、俺妹二期の放送時期は発表されてないのよねえ。

 

私:秋以降なんでしょうね。まあ楽しみに待つことにしましょう。

そういえば、これも夏アニメではないですが「うたのプリンスさまっ」の二期の制作も決定してましたよね。

 

妻:またアニメでSTARISHが見れるとは楽しみすぎるよね。

 

私:また上松さんの名曲が聴けそうです。

 

妻:まあ、とりあえず夏アニメに向けて、今期も貯めこんでしまったアニメを少しずつ消化していかないといけないとね。

 

私:そうですね。