2013年春のアニメソングを振り返る(前編)――まるでアニソン界にやってきたアベノミクスだったな
うたプリ第二期の神曲とは
私:2013年4月から6月のアニソンを振り返りたいと思います。すごい三ヶ月でしたね。
妻:そもそも面白いアニメが多すぎたよね。録画の消化が追いつかない…。
私:今期はアニメ「進撃の巨人」の制作のために大量投入された「作画兵団」が話題になりましたが、今期のアニメファンは、押し寄せる名作アニメに録画容量が追いつかない3ヶ月を過ごしましたよね。「馬鹿な…。このハードディスクは3テラバイトだぞ!」って感じでしたよ。
妻:そんなアニメのレベルの高さに連動して、あらゆるジャンルのアニソンについてクオリティが高かったよね。いつもと同じ様な基準で名曲を選ぶと挙げきれない。
私:まるでアニソン界にやってきたアベノミクスですよ。アニメ「進撃の巨人」を見て、これが自民党のいう「第三の矢」なのかと思いましたからね。
妻:まあ、あの作品みたいなのが、世界に誇るクールジャパンなんだろうね。
私:そんな名曲が多すぎる今期ですが、敢えてこの3ヶ月のナンバーワンのアニソンを挙げるとすると何でしょうか?
妻:「うたの☆プリンスさまっ♪」第二期の聖川真斗こと鈴村健一のキャラソン「恋桜」だね。
私:そう来ましたか。確かに鈴村健一が歌う演歌は強烈なインパクトでした。ついに放送された「うたプリ」2期はキャラソンファンにはたまらなかったですね。主題歌の「マジLOVE2000%」も素晴らしかったですね。
妻:上松範康さんすごいよね。神曲すぎた前作のテーマ曲をどう乗り越えてのか楽しみだったけどれど、そんな期待を裏切らない納得の名曲だった。
私:聴くほどにいい曲に思えてくるんですよね。うたプリに関しては、この4月に昨年2ndライブを収録したDVD「ライブ うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVELIVE1000% 2nd STAGE」も発売になりました。
妻:あのDVDは1stライブに続いて神がかっていたよね。まさかあのライブが「恋桜」の伏線になっているとは。
私:今年の12月という3rdライブも楽しみ過ぎますね。まあ、うたプリについて話し始めると収集がつかなくなるので、また別途、まとめて話をしたいところですね。
妻:そうだね。
俺妹第二期の神曲とは
妻:そっちが選ぶ今期のナンバーワンは何なのよ?
私:この流れで、あえてキャラソンで上げさせていただくと「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第二期の黒猫こと花澤香菜のキャラソンで「モノクロ☆HAPPY DAY」ですね。
妻:白猫ソングとは、相変わらず花澤香菜好きよね。「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」は今回もエンディングテーマをニコニコ動画で公募していたけど、今回も粒ぞろいだったよね。
私:あの公募の営み自体が、日本が世界に誇るべき音楽文化だと思いますね。
妻:まあ、この作品はニコ動と離しては語れない作品だからね。オープニング「reunion」は、第一期に続いてkzさんが作曲するClariSソングだしね。
私:どちらも今やニコニコ動画が生んだスターですからね。まあ、この作品についても語りはじめると長くなりすぎるので、あとで、じっくりと語りたいところですが、もう一曲だけ、神前暁さんの作った俺妹の劇中アニメ「星くず☆うぃっちメルル」の主題歌「ぷらねっと☆ばーすと」も素晴らしかったですね。
妻:公募作品に対して、現代を代表するアニソン作家が示したキャラソンのお手本ともいうべき名作だったよね。
私:劇中アニメに相応しく、ちょっと安っぽいけれども何だか過剰に魔法少女っぽいというところをピンポイントについた作品というべきでしょうか。
妻:あれは職人芸よね。
上坂すみれのデューシングルは濃すぎた
私:神前さんの作品といえば、今期を語る上で外せないのは、「波打ち際のむろみさん」の主題歌で、畑亜貴さんとコンビをくんだ「七つの海よりキミの海」ですね。
妻:ロシアマニアであることで有名な声優、上坂すみれが歌った電波ソングよね。
私:あれは上坂すみれの個性あってこその作品だと思いますね。アップデンポな電波ソングにまさかのロシア民謡である「コロブチカ」をおりまぜてきた異色の作品でした。
妻:テトリスで使われていた音楽よね。電波ソングとロシア民謡の出会いがすごい。確かにあれは上坂すみれというキャラクターが神前さんに書かせたキャラソンというべきなのかもしれないね。
私:あの上坂すみれのシングルは、後の二曲もすごかったですよね。
妻:「我旗の元へと集いたまえ」はまさか伊藤賢治さんのロマサガ楽曲が歌なるとは、ファンにとって感涙必至の作品だよ。
モナカの田中秀和さん作曲の「我らと我らのみちを」はなぜか軍歌でね。
私:濃いシングルでしたよね。この3曲にみられた上原さんの個性の強さは、これからもキャラソン全盛の今のアニソン界で輝くものではないかと期待させるものがありますね。
妻:来期は、アニメ「げんしけん」の主題歌として桃井はるこの曲を歌うらしいからね。
私:それは楽しみ過ぎますね。
ニャル子さん第二期の田中秀和さんもすばらしかった
妻:そして、田中秀和さんといえば、今期の「這いよれ! ニャル子さん」第二期だよ。
私:昨年、「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」とアスキーアート付きで一世を風靡した「太陽曰く燃えよカオス」に対してどのようなオープニングが生まれるか注目でした。
妻:そうね。これも前作の大きすぎる期待を背負って、田中秀和さんが次にどんな作品をぶつけてくるのか楽しみだったんだけど、「恋は渾沌の隷也」は、前作に引き続き、電波な作品世界を見事に表現した名曲だったね。
私:あの出来にはびっくりしましたよね。「\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!」ときちんとアスキーアート化可能な電波ソングに仕上げてくるあたりが見事としか言いようがないですよね。
妻:田中秀和さんは、神前さんと並んでモナカのキャラソン作家の地位を固めつつあるね。
「うたプリ」、「俺妹」に「ニャル子さん」と、今期は期待された二期アニメのアニソンがどれも外れがなかったというのはすごいよね。